清野貴幸
腕が10本のはずのアオリイカで、11本あるものが松江市沖の日本海で見つかった。鳥取県が9日、発表した。持ち込まれた県水産試験場は、県内での採集例が確認できなかったことなどから専門家に相談。非常に珍しいと分かった。1本多い原因は分かっていない。
胴体の長さは19・5センチ。鳥取県米子市の小林彩香さん(33)が4日に釣り上げ、干物を作ろうとして腕が1本多いことに気づいた。「なんだこりゃ?」。同行した友人に写真を送ると貴重な個体の可能性があると知らされ、県水産試験場に7日に連絡した。
小林さんはアオリイカ釣りが好きで、釣果を初めて一夜干しで食べようと思いつき、自宅でまな板にイカの腕を広げていて「異変」に気づいた。
「四つ葉のクローバーを見つけた感じというか、1本多く食べられてラッキーと思いました」とそのときの心境を振り返った。
結局、獲物は口に入らず、「もったいないなと半分思ったけど、貴重なものを多くの人に見てもらえるなら」。
試験場によると、11本目と考えられる腕にも通常と同じ吸盤が2列あり、腕の機能を持つと考えられるという。今後の調査や研究に向け、一夜干しならぬ冷凍保存となった。(清野貴幸)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル